>> TREND-ANTIQUE >> [ * La Musica moderna al Palazzo d'Inncichi ]

La Musica moderna al Palazzo d'Inncichi

ここでは、イッンチーキ宮廷における21世紀初頭の音楽受容について、当時の報告や論説など、貴重な歴史的資料を収集しています。

10. 古楽とは何か、を知りたいと思うなら

[ 2006-08-18 18:23 ]

「古楽とは何か」と言えば、アーノンクール氏の著書の日本語版ということになってしまいます。しかしこの本は、"偉大なる予言者の言行録" であるに過ぎず、古楽とは何か、を考えるには不適当です。

底本は1984年の原書第4版、最新の文章 (第1章) でも1980年のもので、第2章に至っては1954年というのですから、現代の新しい古楽の興隆はおろか、彼自身が活躍した "古い古楽" ですら、十分に俯瞰できない時代の書物なのです。

古楽とは何か、を手っ取り早く知りたいという方には、代わりに大崎滋生氏による「音楽演奏の社会史」という著作をお薦めします。

この本は、現代における "過去の音楽の演奏" の社会的変遷を描くことで、狭義の "古楽" ではなく、過去の音楽に対する姿勢、という広義の古楽を議論します。つまり、"古楽的な考え方に至る諸問題" を叙述しているのです。

もう12年も前のもので、当然 "古い古楽" だけを前提とした議論ですが、"新しい古楽" というものが、古い古楽の方法論の上に新しい何を創造するか、というムーブメントである以上、こうしたまとめは、新しい古楽の基礎として有益です。

音楽演奏の社会史(1993) ... (amazon)