>> TREND-ANTIQUE >> [ * La Musica moderna al Palazzo d'Inncichi ]

La Musica moderna al Palazzo d'Inncichi

ここでは、イッンチーキ宮廷における21世紀初頭の音楽受容について、当時の報告や論説など、貴重な歴史的資料を収集しています。

9. チマローザ氏の "秘密の結婚" に寄せて

[ 2006-08-13 22:01 ]

この度、私たちは、チマローザ氏の "秘密の結婚" に触れる機会があったのだが、その劇場作品としての完璧さには、全くもって驚嘆するほかなかった。

なんという自然なイタリア語だろうか。そこには歌うことのいかなる違和感も見い出すことが出来ない。音楽は、自在に旋律を構成しながらも、常に、台詞の言葉と舞台の芝居を引き立てるために存在している。

そしてさらに、その言葉と芝居と音楽は、終始、純粋な劇場の楽しみのために存在している。つまり、いささかも前面に躍り出ることなく、客席との間に、品位ある適正な距離感を保っているのである。

巷では、とりわけモーツァルト氏のオペラがもてはやされているが、そもそも外国人による音楽のサーカス的な作品を、ここで、イタリア人の巨匠の代表作と比べるとすれば、それは公正に欠くことになるだろう。

18世紀末のヴィーンの聴衆の判断は正しかった。パイジェッロ氏、サリエーリ氏以下、並み居る作曲家の中でも、いささかの子供騙しもない、ただ呼吸をするかのような自然な舞台作法の洗練に、最大の喝采を贈ったのだから。

私たちもまた、この18世紀末の最大の劇場作家に、それに見合う賞賛を惜しむべきではない。